光と生命

スウェーデン ルンド大学植物生理学教室教授 PhD L.O.ビヨルン 著
東京大学応用微生物研究所教授 理学博士 宮地 重遠 監訳
『光と生命 –光生物学入門–』  オンデマンド版
並製 A5判 P 202
本体2,600+税
ISBN978-4-9907483-1-9

 

目 次

  1. 光の物理化学
  2. 生物界へのエネルギーのとりこみ・光合成
  3. 生物発光
  4. 視覚
  5. 空間の定位
  6. 時の知りかた
  7. 皮膚の光生物学
  8. 地球上における生命の起源と進化に対する光の役割
  9. 人工光
10. 光化学スモッグ
11. 光と宇宙

 

 『光と生命 –光生物学入門–』 光とは何か?誰でも知っているように、太陽や他の天体から出た光は、真空の空間を通過して地球上へ到達する。光は明らかに、たとえば音や熱とは違って、物質と無関係に存在することができる何かである。物質に影響されなければ、光は直進する。この事実、およびその他の観察結果から、光は光子(photon)あるいは光量子(light quantum)と呼ばれる小粒子の流れであると考えられてきた。

しかし、他のいくつかの現象は、光の粒子説によって説明することができない。ある場合には、光は水の波のような挙動を示すので、ときには、光を波動(wave motion)と呼ぶことがある。たとえば、水の表面に浮ぶ油の薄膜や、シャボン玉が、さまざまな色を帯びる理由は、粒子説によっては説明することができない。しかし、ある条件下で、異なる波動は互いに打ち消しあう(干渉する)、すなわち一方の波動の ”山” が他方の波動の ”谷” をならすという、波動の性質を考慮すれば、これらの現象は波動説でよく説明できる。(以下略、本文より)